男性はぼさぼさの長髪をなびかせ、髭を生やし、もみあげを伸ばした。
髭を生やすことは大人へ一足飛びに移行することであり、ついでに祖父の年齢にまで達して、ダメになった父親に活を入れるという意味があるらしかった。女性も髪の手入れをせず、脇毛や脛毛も剃らず、化粧もブラジャーも止めてしまった。インド風のビーズやお守り、インディアンのヘッドバンド、そして特に花を髪につけるアクセサリーが原始性の象徴として男女ともに愛用された。
総じてヒッピーは自然でエスニックな傾向があった。
ズボンは今で言うベルボトム、一昔前ならパンタロン。
軍服のピチッとしたストレートのズボンに反する形で、ヒッピーはベルボトムを履いていた。元々労働用のために作られたジーンズを今日、普段のファッションとして履かれるようになった背景にはヒッピーの功績はきわめて多大である。
分かりやすく言えば見掛けは清潔なルンペン(※路上生活者)といったとこでしょうか。