けだるく情熱的。切なくやるせない程に退廃的。 ヨーヨーマがT・Vのコマーシャルで、リベルタンゴを演奏したり、様々なメディアに おいてタンゴが取り上げれられている昨今、 アストル・ピアソラ(1985〜1987)モダンな感性と斬新なるサウンド、 日頃「タンゴ」という音楽を聴かない者でもピアソラのサウンドには「ハッ!」とするものがある。 たとえば、Tango:Zero Hour(タンゴ・ゼロ・アワー)ニューヨークのインディー・レーベルの アメリカン・クラ−べを主宰するプロデューサー、Kip Hanrahan(キップ・ハンラハン)の元に '86年に残された録音を前作より(オリジナル・アルバムとしては) 7年目となる作品を’98年にリリースしている、 ピアソラ自身も納得がいくまで録音できたという作品。
このアルバムはピアソラを知る上では外す事の出来ない1枚です。 「絶対的な終わりであると同時に、絶対的な始まりである時間」24時間に続く時間、 それが“ゼロ・アワー”であるという。 時に優しく、激しく、情熱的に語りかけるようなバンドネオンの、ピアソラのメッセージが 痛いほど心に染みる最高傑作! プロデューサー/ミュージシャンであるKip Hanrahan(キップ・ハンラハン)とは どういった人物なのか?ピアソラのアルバムタンゴ・ゼロ・アワー 、 リリース時の様々な出版物の特集記事等で御存知な方も多いかと思われますが、 ミュージシャンとしても自らアルバムを発表していますが、 その過去の作品も日本盤にて入手する事が出来ます。 キップ・ハンラハンは’54年にサウス・ブロンクスにて生まれ育った。 プエルトリカンやキューバ人が溢れるその町の環境では当然ながらサルサ、 ブガルーといった音楽がいつも回りにはあった、そんな羨ましい環境で育った 彼はそんな環境の中自らのアイデンティティーに目覚めてゆく。 更にこの人気作をもって、遂にAstor Piazzolla(アストル・ピアソラ)晩年における 最高傑作といわれたアメリカン・クラ−ベからの三部作も完結を迎える。 内容は舞台「タンゴ・アパシナード」の音楽をコンセプト・アルバム用に再構築したもので、 ピアソラとは初共演となるニューヨーク在住の多国籍ミュージシャンを起用し、 多彩な音とリズムを練り上げていく様を克明に描き出した、 息つく暇もないスリリングな演奏に終始した名盤の誉れ高い作品になっている。