ギター

 エリック・クラプトン、ジミーペイジと共に3大キタリストの1人と称されているジェフ・ベック。そんな3人の中でも彼の存在はR&Bに強く裏打ちされながらもそれまでの人間には考えもできなかったようなギター・プレイを残しているギタリストである。
 1944年6月24日ロンドン郊外のサリー州で誕生。レス・ポール、ボ・ディトリーなどを熱心に聞いたという幼少期に決定的な影響を与えたのはエルヴィス・プレスリーと、彼のバック・メンバー・ギタリストだったスコッティ・ムーアだったという。 truth ロカビリーが持つ熱狂的な音楽に夢中になり、ブルースなどの黒人音楽に引かれて行くがある意味当然だったといえよう。
 幾つかのバンドを渡り歩き数々のプロ・ミュージシャンたちとセッションを繰り広げフィードバック演奏をマスターしつつあった彼は、当然の事ながらいたるところで評判を呼び、65年3月すでに交流のあったジミー・ペイジの紹介でエリック・クラプトンに代わる後任のギタリストとしてヤードバーズに参加。R&Bという黒人音楽をブリティッシュ・ロックという新しい音楽として消化させていったヤードバーズ。その中においても独自のギター・プレイを披露したベックの貢献度は計り知れないものがあるだろう。 ora ”フォー・ユア・ラブ””ハートせつなく””いじわるっ娘”などのシングル・ヒットを飛ばしミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」にも出演。後期の1時期においてジミー・ペイジとのツインギターが聴かれたときもあったが’66年暮れ健康上の理由からバンドを正式に脱退。ソロとしてのキャリアをスタートすることになる。
 ’68年、第1期ジェフ・ベック・グループを結成。ロッド・ステュワート、ロン・ウッド、ミック・ウォーラーの3人のメンバーと共に製作した「トゥルース」(全米15位)を発表。が、バンドは長続きせず新たなメンバーを迎え同年6月「ベックオラ」を発表。アメリカン・ツアーを行い、レッド・ツェッペリン(ジミー・ペイジ在籍)との共演も実現するが、彼ら(ツェッペリン)の人気を目の当たりにし、そのショックから解散することとなってしまった。
truth  同年ヴァニラ・ファッジのメンバーであるカーマイン・アピス、ティム・ボガートとニューグループを結成しようとしたが、直後ロンドンにて自ら運転中に事故を起こしその計画は結局実現しなかった。
 ’70年2月にようやく退院したベックは、数々のステージやセッションに参加しバーミンガムで出会ったコージー・パウエルなどと共に第2期ジェフ・ベック・グループorangeを結成し10月にアルバム「ラフ・アンド・レディ」を発表した。第2期はフュージョン的な要素も取り入れ商業的にも成功し、’72年5月に発表された別名「オレンジ」とも言われるアルバム「ジェフ・ベック・グループ」も好セールスを記録したが、その後コージーが抜けたのを契機に活動に終止符を打つ。’72年9月、かつて計画していたバンドの結成を実現。ついにベック・ボガード&アピス(以後BBA)が誕生する。
BBA  ’73年にBBA唯一のオリジナル・アルバムとなる「ベック・ボガード&アピス」を発表。スティービー・ワンダーの”迷信”などが収められたこのアルバムで一躍脚光を浴び、クレーム以来の強力なトリオとしても評価され5月には初来日も実現。日本のみのアルバムとして「BBA・ライヴ・イン・ジャパン」として73年10月リリースされた。この間にもいくつかのアルバムにゲスト参加したベックではあったが、またもや短命のままにバンドを解散。ミック・テイラー脱退の後任としてローリング・ストーンズ加入が噂されたが実現には至らなかった・・
ワイヤード  ソロ・アーティストとしての幕開けとなった’75年「ブロウ・バイ・ブロウ」を発表。ビートルズのプロデューサーとして有名なジョージ・マーティンを迎え全曲ギター・インストにもかかわらず、全米最高4位を記録!大成功を収めた。
 この後何度となくメンバーを入れ替えながらライヴを展開、一方ではジョン・マクラフリンやスタンリー・クラークなどと交流を深め’76年に、前作の延長線上にあたるアルバム「ワイヤード」を発表。
ライヴ・ワイヤード  この時のライヴを収めたアルバムが’77年に「ライヴ・ワイヤー」としてリリースされている。
 ’80年には「ゼア・アンド・バック」を発表。12月には4度目の来日公演も行っている。その後自らのソロ活動は休止。いくつかの活動を展開した後、’85年にポップ的な要素を取り入れた「フラッシュ」を発表。ケンカ別れしていた旧友ロッド・ステュワートとの共演が話題を呼ぶ。
ギターショップ  ’88年に”ツインズ”のサントラに参加した後、’89年に前作の失敗を教訓に「ギター・ショップ」を発表。5度目の来日も実現させた。
フーエルス  「ギター・ショップ」後、オリジナル・アルバムはずっと発表されなかったが’99年に実に10年ぶりとなる「フー・エルス」を発表。全曲ギター・インストの本作はこれまで以上に様々な要素が取り上げられており、アルバムの最後を飾る曲は今は亡きコージー・パウエルに捧げられている。


まずはこの1枚・・・
JEFF BECK
Blow by blow
 ジミー・ペイジ曰く「ギタリストの為のギターアルバムだ!」全曲インストながら商業的にも大成功を収めたアルバムである。




エピック・レコード
ジェフ・ベック・オフィシャル・サイト